ICC国際交流委員会の大学留学プログラム
大学留学体験談
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■大学留学体験談〜イギリス〜
環境適応能力を身に付けることこそ、充実した留学生活を送るキーポイント
[学部編]
砂田 基(すなだ もとい)さん
1981年生まれ。東京都出身。日本で大検合格後、2002年7月よりLiverpool John Moores Universityのファンデーションコースへ入学。2003年9月より同大学学部へ進学し栄養学を専攻。
学部と予備コースの違い
 予備コースというのは留学生のために作られたコースで、レベルは低いとは言えませんが(僕のクラスメートも、何人かは学部に進めなかったようです)、何とかなるレベルです。イギリスの課題がどういうものかを体感するための授業もありますし、まさに学部で勉強するための準備ができるコースという感じです。クラスメートも同じ留学生(アジア出身が多い)で置かれた状況が同じなので、溶け込みやすいです。

 学部は、言うまでもなくイギリス人の生徒がほとんどで、学部によっては「留学生が自分だけ」ということもあります。僕の学部は全部で13人という小さい学部で、11人がイギリス人で、ドイツからの留学生が1人という構成です。英会話学校ではないので、ゆっくり話してはくれないし、こちらが英語を普通に話せるものとして接してくるので、最初は「何を言っているのかわからない」ということもしばしばあり、やはり結構大変でした。

 勉強は1年目からかなり専門的です。先生も「1年目が1番勉強することが多く、1番つまらない」と最初の授業で言っていました。それは正しかったです(笑)。僕は栄養学を勉強していたので、以下の9つの単位を取っていました。
Biochemistry
Introductory Chemistry
Introductory Physiology
Lab Methods & Study Skills
Food Studies
Food Web
Metabolism in Health & Disease
Nutritional Physiology
Basic Microbiology

 理系の課題で1番多いのは実験のレポートです。授業の中で実験をやって、その手順と結果及び結論などをまとめて提出するというものです。実験はだいたい2人1組でするのですが、複雑な上に手順が全て英語で書いてあるので、いつもパートナーに助けてもらっていました(笑)。
予備コースの重要さ
 予備コースに行かないで、直接学部にいこうと考えている人もいるかもしれませんが、できるなら予備コースに1年行ってから、学部に入った方がいいです。というのは、予備コースで1年勉強すれば勉強の仕方も分かるし、その街や大学のことを知ることもできるからです。いきなり学部に入って、右も左も分からない状況でやるのは、かなり大変だと思います。僕にとっては、予備コースでいろいろな国の友達ができたことや、課題への取り組み方(エッセイ・レポートの書き方)などを学べたことは、とても大きかったです。
溶け込むための積極性
 イギリス人は結構保守的なので、こっちから話しかけたりしないと、なかなか溶け込むことは難しいです。僕も最初はそうでした。日本人の場合、発音やアクセントを気にして、ネイティブと話すのが恥ずかしいという人もいると思います。なので、留学生同士でいつも一緒に行動している人もいます。「イギリス人とは別に仲良くする必要はない」と考えている人もいると思いますが、やっぱりクラスメートと仲良くすることは大事です。課題の意味がよくわからないとき質問できたり、実験の結果を比べたりできたり、僕はかなり助かりました。日本人は一般的に受動的で話しかけてくれるのを待ってる傾向があるので、思い切って行動することも必要だと思います。
勉強に対するモチベーション
 留学生活というのは、楽しいけれど、「毎日パーティ」的な楽しさではないです。学期中は毎日、寮・キャンパス・図書館・スーパーマーケットの往復でした。正直言うと、ときどき「退屈な毎日だなぁ」と感じることもありました。授業は月から金までほぼ毎日ありますし、土・日も課題をしなければなりません。課題が3つ、4つ重なることがあるとかなりつらいです、どれも一朝一夕ではできないので、コツコツやるしかありません。1年を通して1回は「つらいから、日本に帰りたいなぁ」という時期があります。そんな時に「なぜ、自分がここにいるのか」「なぜイギリスで勉強しているのか」をじっくり考えて、勉強に対するモチベーションをもう一度高められる人なら学部でも大丈夫だと思います。言い換えれば、「勉強は好きじゃないけど、外国で生活をしてみたい」ぐらいの理由では、難しいかもしれません。留学の中心にあるのは、やっぱり「勉強」なので。

 イギリスで2年間勉強してきて、いろいろな人を見てきましたが、やっぱり「将来、どうしてもやりたい仕事やなりたいものがあって、イギリスに来た」という人が多いです。僕の日本人の友達もみんなそうです。留学というのは決して簡単なものではないけど、課題でいい成績を取った時や、試験をパスしたときの達成感は本当に最高です。
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