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■大学を選ぶ〜イギリス〜 |
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◆高校での成績
入学にあたって最も大事な要素となります。イギリスの大学は1年次から専門課程を学ぶため、高卒直後の直接入学は難しいのが現状です。基本的にはファンデーション(大学進学準備)コースで語学力やスタディスキル、専攻分野の基礎知識を習得してから学部課程へ進学するのが一般的です。
また学力や英語力が志望校の出願条件を満たしていない場合も、まずはファンデーションコースに入学し、英語力や基礎知識をしっかり身に付けたうえで、学部進学する方法が一般的です。
いずれのケースも注意しておきたいのは、「志望校がファンデーションコースを開講しているかどうか」「規定の成績を修めれば学部入学が保証されるか否か」ということ。コース内容は大学により異なりますので、必ず事前に確認しておきましょう。
◆英語力
IELTS(英語能力試験)
IELTS(International English Language Testing System)は、イギリスの高等教育機関への進学を目指す場合、英語力を証明するものとして提出が求められるテストのひとつで、TOEFLと並び、世界的に有名な英語力判定試験です。試験はイギリスのCambridge ESOL (University of Cambridge English for Speakers of Other Languages)などの2団体が運営し、日本ではブリティシュ・カウンシルが試験を実施しています。
最近では、IELTS・TOFELのどちらのスコアも認める学校が増えてきていますが、IELTSが主流であることに変わりはありません。イギリスの高等教育機関では、実践的・職業的プログラムよりもアカデミックなプログラムに重きをおく傾向が強く、英文を学術的に書く能力が求められるため、記述式の IELTSのスコアを上げるための勉強が、ひいてはイギリスの大学で学ぶ際の助けになると考えるのがよいでしょう。一般的な入学基準としてIELTS6.0ポイント以上の英語力が必要となります。
IELTSは、東京、名古屋、大阪、福岡の各ブリティッシュ・カウンシルで受験可能です。試験は定期的(東京は1ヶ月に1回以上、名古屋、大阪は月1回、福岡は2ヶ月の1回)に行われていますが、再受験するためには前回の受験から90日以上経過している必要があるので、ブリティッシュ・カウンシルが行う模擬試験などで試験に慣れるなど、試験準備を入念にして、スコア・アップを図ることが大切です。
尚、スコアが発行されてから1ヶ月以内であれば、5通まで指定先へ無料で送付してくれるサービスがあります(期限を過ぎると1部発行ごとに1050円かかります)。出願手続きに合わせて上手く活用したいところです。
TOEFL(英語能力試験)
TOEFL(Test Of English as a Foreign Language)=英語を母国語としない国の人々の英語力を測定する世界共通のテストで、イギリスではIELTS同様に受け入れられています。大学へ直接入学を希望する場合、最低限でもiBT80点(PBT550点)以上は必要となります。大学進学準備コースの場合は、iBT45〜61点(PBT450〜500点)以上が求められます(iBT=Internet Based Test、PBT=Paper Based Testの略)。 |
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自分の実力を知ったうえで、家族と話し合いながら自分の希望を明確にしていきましょう。 |
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◆大学or 高等教育カレッジ
イギリスの高等教育機関には大学(University)と高等教育カレッジ(Higher National Education)の2つがあります。大学は学位授与権が与えられているのが最大の特長です。イギリスにある約100校ある大学のうち、University of Buckingham以外はすべて公立校となります。オックスフォード大学とケンブリッヂ大学のような世界的名門校もある一方で、実践教育に強いポリテクニックを前身とする新制大学も複数あり、医学、音楽など特定分野の専門教育のみを行う一部の大学を除き、ほとんどは総合大学です。入学基準としてIELTS6.0、TOEFL iBT80(PBT 550)点以上の英語力を求められます。
一方、高等教育カレッジには、アート&デザイン分野の専門教育が盛んな美術系カレッジ(College of Art and Design)やCollege of Technologyなど、主に実践的な分野における専門教育が盛んなカレッジが数多く存在します。いずれも大学同様の学位、学位レベルの資格が取得できますが、学位授与権を持つ(University Collegeと呼ばれる)一部のカレッジを除き、学位の授与は提携大学から行われます。入学基準の英語力はIELTS5.5〜6.0ポイントとほぼ大学同様であるものの、年間の授業料は£6,000前後と大学に比べて授業料が安いところが魅力的です。
◆直接入学or ファンデーション(大学進学準備)コース
イギリスの学部課程は通常3年。イギリスでは義務教育課程修了後の2年間で、すでに大学入学のための専門教育が行われているため、学部では一般教養課程はなく、1年次から専門分野の研究・教育がスタートします。
直接入学とは入学申請時までに大学が要求する基準のIELTS・TOEFLスコアを取得してから出願する方法を意味します。入学したらすぐに学部授業を受けることになり、現地学生と同じような大学生活をスタートします。通常、「高校卒業以上であること」と、「英語力IELTS6.0、TOEFL iBT80(PBT550)点以上」という条件をクリアしていることが求められます。
この条件をクリアしていない場合は、ファンデーション(大学進学準備)コースでスタディスキルや基礎学力、英語力を養成することになります。このコースは主に大学で提供されていて、希望の専攻分野によって学習内容が異なります。一定基準以上の成績を収めれば、進学希望大学への入学が許可される場合が多くあります。
ちなみに高卒直後の場合、日英の異なる教育背景から学部課程への直接入学は難しく、ファンデーションコースで語学や専攻分野の基礎知識を学んだ後、学部課程に進学するのが一般的です。
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◆大規模校 or 小規模校
イギリスの大規模な総合大学には学生数が3万人を超えるところもあり、複数のカレッジ・スクールにより構成されるUniversity of Londonに至っては10万人規模の学生を擁しています。こうした総合大学には、「専攻科目が多い」「研究施設が充実している」など、大規模校ならではの良さがある一方、一クラスの人数が多い、一人ひとりに対する学習サポート・留学生サポートが行き届かないなどの欠点もあります。
一方、小規模校には「一クラスの人数が少ない」「学生と教授の距離が近い」「手厚いサポートがのぞめる」などメリットが多いですが、開講されている科目が少ないなどもデメリットもあります。ちなみに国内でもっとも小規模な大学はイギリス唯一の私立校University of Buckinghamで総学生数が800名弱です。
それぞれのメリット・デメリットを考えたうえで、どちらが自分に合うのか、じっくり考えてみましょう。
◆入学の難易度
イギリスは1校を除きすべて公立校です。独自の監査機関の存在によりQuality Controlが機能し、世界に名立たる名門校をはじめとする各大学は軒並み高水準の専門教育を提供し続けています。そのため、イギリスの大学は日本の大学のような偏差値による大学間の明確なレベル分けはありません。
しかしながら、ひとつの指針となるのがThe TimesやGuardianなどの代表的新聞社や各調査機関が発表する「大学ランキング」。各自の審査機関では様々な項目を設け、相対的な評価としてランキングを確定します。以下はQAA(Quality Assurance Agency)が実施している教育の質に対する評価基準です。
QAA(高等教育審査機関)公式サイト
□カリキュラム(授業の内容および構成)
□学生への学習指導およびサポート
□学習施設の充実度
□教授の質(教授・評価・学習方法)
□学生の学習達成度
□教育品質の維持・向上
また、大学の総合ランキングとは別に、「学部別ランキング」と呼ばれるものがあります。全ての専攻で高い評価を受けている大学もあれば、日本では知名度の高くない大学であっても、ある特定の学部では国内、もしくは世界的に高い評価を受けている大学も多数存在します。学びたい専攻が既に決まっているのであれば、大学の知名度や総合評価で判断するよりも、専攻したい学問が充実している大学かどうかが重要なポイントとなります。
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◆専攻で選ぶ
イギリスの大学は1年次から専攻分野を深く掘り下げて学習していきます。学部課程で提供されているコースも多岐にわたり、その数は5万コースを超えるほど。そのため「自分が学びたいものは何か」をはっきりさせておくことが先決です。また一見すると専攻名は同じであっても、カリキュラムの内容は大学によってまったく違うことがあります。留学生に人気の高い「開発学」を例にあげると、開発学全般を学ぶ大学もあれば、ある特定の分野に力をいれる大学もあり、その学習アプローチは様々です。そのため、希望する大学の資料を取り寄せたら、カリキュラム内容までしっかり調べておくことが大切です。
自分が学びたい分野が決まっていない場合は、イギリスならではの分野を学ぶのも選択方法の一つ。留学生に人気があるのは、開発学、平和学、環境学、アート&デザイン、言語学、英語学などの分野です。
◆異なる地域性
イギリスはイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの地域によって構成される連合国家。そのため、それぞれの地域によって風土や文化は様々に異なります。また生活するうえでの物価の差や、日本人留学生の数など、留学生活を取り巻く環境は地域によって違いがあります。尚、イギリスにある大学の約8割はイングランドに位置し、他はスコットランドに13校、北アイルランドとウェールズに各2校と各地域の主要都市に点在しています。それぞれの地域の特色を知った上で、自分に合った地域選びをすることも、大学を選ぶ際に考慮したいことです。
◆都会or地方
イギリスは首都ロンドンや一部の都市を除くと、人口10万人以下の地方都市が点在しています。主要施設はシティセンターに集中し、それは大学も例外ではありません。またバスが網の目のように発達していますので、イギリスでは自家用車を持たなくとも十分生活することができるでしょう。
ロンドンや一部の大都市であれば、娯楽が多く、刺激もあるでしょう。しかし物価が高い、犯罪が多くなる、誘惑が多いといったデメリットもあります。地方の大学ですと、特に刺激はありませんが、比較的物価が安く、安全な環境の中で勉強に集中できるといえます。
ちなみにイギリスの大学では、学期中は遊ぶ暇はほとんどありません。学期始めは若干のゆとりが持てるものの、すぐに山のような課題が出され、平日はほとんど教室と図書館と家との往復になるといえます。そんな生活スタイルですから、果たして都会の娯楽の有無が大学選びに影響を与えるかどうか、よく考えてみる必要があるでしょう。
◆大学寮or ホームステイ
ほとんどの大学では学生寮が完備されています。また、大学によってホームステイをアレンジしてくれる場合もあります。この他、何人かが共同で生活する「フラットシェア」という方法もあります。尚、イギリスの多くの大学では、1年生の希望者に対して入寮を保証する制度をとっているのも心強いところです。
まずは留学する本人はもとより、日本の家族の希望も考慮に入れ、安全で快適に過ごせる滞在先が確保できる大学を選ぶとよいでしょう。
◆留学生サポート
多くの大学では、留学生オフィスを持ち、そこに留学生を特別にサポートするアドバイザーがいます。留学生アドバイザーは、アカデミックな面よりもむしろ、生活面についての様々なサポートをしてくれます。大学によってはたった1人のアドバイザーが何百人という留学生を担当しているところから、複数のアドバイザーが常駐して、丁寧なサポートを提供するところまで、様々です。
はじめての長期留学であれば、このようなサポートなしでは、留学生活を乗り切ることは難しいでしょう。自分にとって必要なサポートを提供してくれる大学を選びたいものです。
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自分の希望を明確すると同時に、費用についても考えなくてはなりません。留学中は週20時間以内のアルバイトは許可されているものの、大学での授業は非常にハード。留学生にとってアルバイトする時間を作るのもままならないなのが実情です。そのため留学前にあらかじめ十分な資金を準備しておくことが必要になります。家族ともよく話し合ったうえで、無理、無駄のない計画を立てて下さい。 |
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希望や条件が明確になったら、次は、具体的な大学リサーチに入ります。数多くの人々に門戸を広く開けているイギリスの大学には、様々なニーズに応じた数多くのコースが存在します。またほとんどが公立校とはいえ、その教育環境は非常に個性的であるため、自分に合ったコースを見つけることは決して容易ではありません。まずは以下のような方法で各大学の特徴を理解し、自分に合った学校選びをして行きましょう。
◆書籍
留学経験がない人は、初めて留学する人向けの本を一冊手に入れてみましょう。準備段階のことから卒業後のことまで、丁寧な説明が載っています。留学先で何をするか決まっている場合は、コース内容などを比較するために、各学校の専攻分野のことを詳しく紹介している本も役立ちます。また、留学をした人の体験談が載っているような本も、留学先でのイメージが湧いてきて参考になります。
さらに踏み込んだ情報は、現地で発行されているようなガイドブックを入手するのがお勧めです。例えば、英国の代表的な新聞社The Timesから発行されている「The Times Good University Guide」などは広く知られているところ。以前は入手が難しかった洋書も、近頃ではAmazonのようなオンライン書店を上手く活用して気軽に手に入れることも可能です。
◆インターネット
インターネットは情報の宝庫。調べ物をすることに慣れている人なら、様々な情報を手に入れることができるはずです。学校を検索できるサイトや留学先の都市のことが分かるサイトなど、必要に応じて活用してみましょう。インターネットに慣れていない人も、これを機会に挑戦してみましょう。その他、リアルな現地情報を得るのに最適なのが英語サイト。英語に慣れるためにも有効活用したいものです。しかし、インターネットの情報を鵜呑みにしてしまうことは危険なことでもあります。特に誰もが書き込める掲示板などでは、注意が必要です。
(大学ランキング検索)
(大学・コース検索)
(各大学における教育・研究環境の評価レポート)
(イギリス各種情報)
◆留学フェア
英国政府の教育機関であるブリティッシュ・カウンシルが随時主催している留学フェアには、イギリス各地から数多く大学の留学生担当者が来日します。参加者は興味のある大学のブースをまわって、担当者から直接大学の様子を聞くことができます。特にアート&デザイン系に進学を希望している場合はポートフォリオを見てもらう絶好の機会にもなるでしょう。
◆公的留学機関
留学を決めたら、一度は足を運んでおきたいのが、留学関連の情報サービスもしている大使館や国際交流センターなどの公的留学関連機関です。メリットの一つは、書店では入手が困難な、あるいは個人で購入するには高価な留学関連書籍を閲覧できること。機関によっては、個々の学校のパンフレットを置いていたり、インターネットを利用できたり、留学相談を受け付けていたりするので、大変役立ちます。
◆民間の留学機関
公的機関においては、大学選びをする手段をアドバイスしてくれるものの、特定の大学を紹介したり、入学手続きを代行したりといったサービスを提供していません。公的機関では個人で留学手続きを開始している人にアドバイスを提供してくれます。
個人で大学を探したり、選んだりすることが困難な場合には、民間の留学機関を利用するとよいでしょう。民間の留学機関では、希望や条件にかなった大学をリサーチし、志望校決定を手伝ってくれるうえ、入学手続きの代行をしてくれます。ただし自由に大学を選べない留学制度やプログラムがあったり、多額の費用がかかる場合がありますので、よく内容を調べてから利用しましょう。
◆大学のパンフレット
興味を覚えた学校があったら、早速その学校のパンフレットを取り寄せてみましょう。学校情報はウェブサイトなどでも入手できますが、印刷版の学校パンフレットならいつでも手にとって見ることができ、学校間の比較検討も楽にできます。取り寄せる方法としては、インターネットで請求、Eメールで請求、電話で請求の3つがあります。パンフレットが手元に届いたら、How to Apply(出願要項)、Admission Requirements(入学条件)、Courses and Fees(コース別学費)などをチェックします。
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